LOVEのひろいばなし Vol.33「一個じゃなくて全部です」

人の苦しみや病気や死がどこからくるのか、辿りに辿った結果、ブッダ は悟りを開いて気づいたそうです。「諸悪の根源は無知であること」と彼はいう。

…同意します。

ただですよ。いちゃもんをつけるようですが。

じゃあ「諸悪の根源」ってやつを映像にして最初まで巻き戻し、再生し直してみましょうよ。

そこには1人の人間がいます。ものを知らないから、知識がないから。その人間は、うっかり他のものを傷つけます。それが言葉なのか、フィジカルなのかはどちらでもいいです。その行為はカルマとなり、どうしたことか、今世では罪滅ぼしの辻褄合わせの時間が足りないようで、来世まで持ち越しになってしまいます。…うわ、面倒くさい。

次のシーンです。

その人間はもういちど赤ちゃんになっていて、うっすら前世の記憶があるんだけれど、今世のおかんとおとんのもと、すくすくと適応していくうちに忘れちゃう。ただどこかで意識下に「やり残し」だとか「やり直し」だとかが刷り込まれていて、今世をがんばることになります。

輪廻転生ってそういうことらしいんだけれども、それが本当かどうかはさておき。

さて、次のシーンです。突然ですが、人類が絶滅しようとしています。

えっ。ざわざわ。

あの赤ちゃんは人類最後の老人となり、いよいよ命最後の日を迎えることになりました。まずまずがんばったんですけど、やっぱりそんなに悟りは開けず。結局また来世にカルマが残ってしまい…じゃあ、次は何に生まれ変わればいいのでしょうか。もう、人類いないんですけど?

ナショナルジオグラフィックの映像やらを見ていて「絶滅危惧種」とか、そういう言葉を聞くと、私はいつもブッダに聞きたくなるんです。ねえ、じゃああのカタツムリは来世どうすればいいの、と。

まあ、ブッダ のいう輪廻転生って適応範囲が人間だけだったり、動物や虫も含んだり、諸説あるんですけども。とにかくカタツムリからしたら「こっちはさあ、ぬめぬめしてただけなのにさあ、カルマってなんなんだよう、んなもん背負わされたらたまったもんじゃねえよう」って感じでしょうか。人間は絶滅危惧種になったことがないから、輪廻転生という概念も成立するのかもしれない。

最近勉強したのですが、東洋のガラパゴスこと、小笠原諸島は東京都の一部です。ただし1000km南の太平洋にあります。これまで他の陸地とつながったことのない海洋島。ゆえに独自の発展をとげた生き物や植物が山ほどいます。その地形、生き物、生態系の特異さをもってして、2011年から世界自然遺産。「固有生物」や「固有亜種」と呼ばれる動植物は数知れず。

例えば、世界に800種いるカタツムリのうち、100種が小笠原諸島にいるんだそうです。またその94%が固有種ですが、すべてが現存しているわけではなく。800年前の地層から出てきた「昔はいた」カタツムリの種もあるんだそうな。今生きているカタツムリちゃんたちも、もしここの子たちがいなくなったら、もうおしまい。外界を知らないハト、植物、魚、他多種多様な生き物も、似たような境遇だとか。

小笠原の元々の住民だった「自然」の皆さんは、捕鯨船で人間が立ち寄るようになるまでは、とにかく向かうところ文字通り「敵なし!」でのほほんと暮らしていたそうです。それまで天敵がいなかった名残で、今も鳥たちは人を恐れません。「人間が連れてきた猫ちゃんたち〜、うふふ、はーいこんにちは」なんていってる間にどんどん猫に狩られてしまったそうです。

育つスピードが早い木は人間にとって早く収穫できる燃料になります。移住民が持ち込んだ、根を張る力が強い外来種の植物は、元々岩石の島に浅く育つ工夫をしていた植物たちのエリアをものすごいスピードで奪っていったそうです。

でもその移住自体、私は決して人間が「悪」だとは思いません。

ただ、私たちは、ある意味で地球最大の外来種だということ。その自覚ある人、手を上げて。あんまりいませんよね?

「はーい、僕たち私たち、地球最大の外来種です!」

ちなみに、外来種って、元々の土地からしたら別に悪者じゃないですからね。

人間はマジですごいです。北極圏からジャングルまで、どこでも暮らせる知恵と技術を私たちは習得しました。火まで扱ってます。我々は、死ぬ気で地球の全エリアの各気候に適応して、医療で延命という工夫まで発展させた生き物です。

資源に限界があることや、生き物が絶滅することなんかを、人類が知らなかった間には知らないなりの幸せがあったと思います。豊かになりたい、と願った過去の人たちが作ってくれた燃料のおかげで今の技術の発展がある。

そして、今の時代は、とにかくなんにせよ、知らなかったことを知る、学ぶ喜びがある。そういう幸せがある時代だと思います。

例えば、一本の希少な木を保護しよう!といっても、邪魔だからってすぐに周りの外来種を切ってしまっては、光が急に地面に当たって乾いてしまい、環境がまた一変してしまう。守ろうとしたはずの木が、枯れちゃうかもしれない。ってことはどうしたらいい?周りをよく見て、時間をかけて、丁寧&的確な仕事をしましょう。とか、そういうデータにもとづいた判断とか気遣いとか、むしろ「高度な新技術」を私たちは習得していける美しい時代に突入しているはず、と私は思うのです。我々はもう、原始人じゃないのですから。

高い木、中くらいの木、低い草。すべてのバランスがちょうどいい光加減で全員を幸せにするように、ひとつの種が生き残るためには、その周りの仕組みがぜーーーんぶ大事だということを、今の時代の人たちはもう知っているはずなのです。ちょいちょい忘れてますけど。

一個だけ見てても、あかん。人間という種が生き残るためには、その周りの全てのバランスを見直そう、という今日のひろいばなしは、マキシマムでありミニマムでもあるお話です。

そして、私やあなたがいい感じで明日を生きるためには、周りの全ての人たちの心持ちが関係していて、食べ物や、水や、空気や、住むところも、全部、引き続き光の加減を大事にしてくださいね、というお話でした。

「これからの30年を変えてしまいそうな、これからの3年間をどうやって過ごそう」とWaiting List Of Dreamsという曲で歌ったことを、2022年、今一度感じ直しています

もう一度いいますが、一個じゃあかん。そしてこれは「欲張り」ともちがいます。全部です。周りを全部、よく見ましょう。そして、ほど良くしましょう。

 

小笠原諸島は東京都です。税金の一部が、保護に使われています。1本の希少な木を保護するために、その環境を整えるために、だいたい50万ほどかかる例があるんだそうです。わたし、それを聞いて、うっかり税金どんどん納めたいと思ってしまいました。

ちなみにですが、私は生まれ変わるなら「シロナガスクジラにしますんで」と昔から決めており、身内には宣言しています。どうでもいい話なので誰も覚えていてくれないんですけど。

ですので、環境問題は、常に自分勝手にシロナガスクジラを基準に考えます。地球最大の哺乳類が心地よく暮らせる、をハードルに各関係者のみなさんにはお願いしたいと思っております。

ところで、小笠原諸島の夢を見ました。そこそこのカタツムリ運と、べらぼうなザトウクジラ運に恵まれる夢でした。そしてなぜか夢がデータとして残っていたので、ともに夢を見た友人の許可を得て編集してみました。お裾分け、いたします。

2022年、新年から引き続きパンデミックの心配も絶えず、閉鎖的なお心持ちの方も多いかもしれません。こっそりと見て深呼吸してもらえたら幸いです。(あくまでも夢のお話ですので、SNSなどで、この話題自体、触れていただくに及びません。くれぐれも見流してくださいませ)

喜んでいただけた際には、ぜひ道ゆく先で、普段からゴミ拾いやビーチクリーンなど、自主的に機会を増やしていただけたら嬉しいです。

※2022/1/28 まで視聴可能

母島・乳房山にて

https://youtu.be/DRHs853BNFY

父島・沖合にて

https://youtu.be/n3ydjkPETys


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