LOVEのひろいばなし Vol.22「いい男」

吾輩は、今、とっても久しぶりにほろ酔いなのである。ゴキゲンなのである。

ほろ酔いで、書くひろいばなし。吉とでるか凶と出るか。そんなことは気にせず出発するのよ、私のスリーナイン。行けるところまで行きなさい、哲郎。だってあなた、今週のこれ、締め切りはとっくに過ぎているのよ。

今宵は来年1月にクローズする新木場STUDIO COASTにて、HEY-SMITHと東京スカパラダイスオーケストラのツーマンイベント「SKAramble Japan」を観に行って参りました。久しぶりにちょっとビールもいただいて、気分上々です。

多分、最後に会場へ観に行ったライブは2020年春、有楽町国際フォーラムでの東京事変…以来になりますね。

え、まじで。そう考えると、震えます。生ライブ観るのも1年半ぶり?真面目か!

しばらく休憩しておりますが、我がスリーピースロックンロールバンドTHE LIPSMAX(Ba.TOKIE、Dr.山口美代子)の活動時、Greasy Horns としてアルバムREC&ライブでご一緒した爆裂色男ホーンズ3人衆(元THE・MAN)のうち2人に再会してきました。

たまたまケーブルの一件で連絡をくれた、同じ誕生日3/14生まれのバリトンサックス、青木ケイタ氏。3人衆の中でもチーム同郷、大阪人です。

「ちょうどけんちゃんのライブがあるから観に行きませんか」とお誘いくださったのですが、けんちゃんことトランペット飯川賢さんは、HEY-SMITHの正式メンバーでいらっしゃいます。

私の体内の一番深いところにある機関室には何機かのエンジンと大量のボタンが並んでいるのですが、メロコア、スカパンクを聞くと「16歳気分、ビリビリ破れ短パンで踊って良し」ボタンが自動的にプッシュされます。はい、点灯。

とにかくメンバー全員の華、出音の良さ、リズムのクリスピーさ。ボーカルいがりさんの低いギターの位置、それ弾きながらよく歌えるねっていうロングトーンと歌心。素晴らしい体幹、筋肉。ステージ右側には、もうおひとかた、筋肉の塊が踊りながら裸でサックスふいてヘドバンしてる。やばい。アガる。ステージ左手、賢さんのトランペットも超かっこいい。もうトランペットでそのままぶん殴っていただきたい。スカホーンズの爆裂パフォーマンスとバンドの音圧。幸せ…!

続いてスカパラも、1、2、3…改めて数えてしまいましたが9人もいらっしゃるじゃないですか。谷中さん今更ですが身長何センチなんですか。足、なっが。キレッキレの演奏と、心の柔らかいところを持っていかれるような、ハートがしびれるかっこよさ。伝統芸能を観にきたかのような気分。数年じゃ絶対出せないであろう、スカパラの音のアンサンブル、すごい。「とりあえず感じろ、Don’t think, feelして良し」ボタン点灯。音に乗って、ほとばしる色気が波のように迫ってきます。もう、情報量が…情報量がぁ…。

HEY-SMITHはトロンボーンの女性メンバーが1人いらっしゃいますが、他メンバー全員、メンズです。スカパラも然りです。

はっと気づきました。

私が最後にこれだけ大量の色男たちを同時に目にしたのはいつだったのかと。久々すぎて、急に、ちょっとした拒否反応が。

はあ、しんどい。いい男が多過ぎて、しんどい。クリスタルガイザーの水を飲んでるだけなのに溺れてしま…ゴボ…。

生ライブ、配信ライブを観るのとは違い、自分の目がカメラなので、見たいところを見れるこの感覚も久々です。カメラスイッチングも私の自由。ちょっと、カメラさん、踊っててもいいけどステージ上の細かい仕事を見逃さないでよ。男、男、男。ひたすらいい男が演奏しています。だめだ、情報量に気持ちが追いついていかない。私の網膜だけでは受け止めきれないフィーリングが飛んでくる。

技術的に聞きたいこともありすぎなので、一緒に見ている青木ケイタ氏は隙間隙間で必然的に私の質問攻めを食らうことになります。

「ケーブルが直でアンプにいってますがエフェクターはどこにあるんでしょう、誰が踏んでいるのでしょう」「ヘドバン、あの子の背骨が心配なんですが、あれいつも?今日特別?」「ボーカルいがりさん、体幹がすごいんだけどお年の頃はおいくつほどで?」「メキシコで聴きたい…!」「は!?スカパラ、還暦メンバーいるの!?え、ギター加藤さんが50歳でメンバー最年少!?」

うるさいよっていうね。

で、はっと見たら。青木ケイタ氏も、身長180cm超え、めちゃくちゃ細身ですらっとしてらっしゃる上に、本日のお召し物、ロングの革ジャンコート。今日は楽器を持っていないとはいえ、そうだった、この人も色男なんだった。

…ダメだ、もう逃げ場がない…ゴボ…。

数年前、同じ色男たちに囲まれたスタジオで、1番年下のくせに息をするように歌ったり指示を出したり、リハの合間にご飯を食べたり雑談して関西弁まるだしで当たり前のように突っ込んでいた私はどこへいったの。帰ってきて、いい男たちを気にもしていなかった恐ろしい子、私。

いや、これもすべてコロナのせいですから。

…ええ、ほんとに、ただ単に。

そうなんです、ちょっと感覚が鈍ってただけなんです。「いい男」こと、「自分に本気で生きている」そんな全力の汗だくの人たちに会って直接エネルギーをもらう、ということに。

ライブ後の挨拶の場所にて他ミュージシャン数名とも久々の再会があり、最近どうしてました、とか、家族が増えまして、などと話を聞いていたらだんだん和んできて、安心感が戻ってきました。スカパラ茂木さんとも、いつもラジオ越しだったのですがやっと直接ご挨拶させていただき、しっかり未来に希望を見みていらして、話し方も明るくて、そんな先輩の姿勢に心から勇気が湧きました。

一般的にはどういうことが「いい男」「いい女」の基準なのか私はよくわからないし、正直どれだけの人たちが「いい男」や「いい女」でいたいと強く思っているのかも知らないけれど。

少なくとも私は思っています。ジタバタする日もあるけれど。「自分に本気で生きている」かどうか時々自分に問いかけてみますし、そうそう、本来コロナ前はそういう人たちやプレイヤー達とわいわいスタジオなどに一緒にいることが日常だったんだ、そうやって生き生きとしていただけだよね、と思い出しました。

自分に本気で生きている人の中でも特に、自分らしさが強いが故に人一倍他人との距離感のズレに意識がいく人。そしてその分、人への気遣いや優しさが自然と身についている人。もしくはそのプロセスの途中にいる人。私が知る限り、いいプレイヤーさんにはそういう人が本当に多いです。ステージでは派手だったりするのに、実は、みたいな。

ドレッドだから人にじろじろ見られる分、子どもの幼稚園のお迎えはニコニコしながらいくのーって笑ってた賢さんとか。裸で飛び回っていた、1番エキセントリックなHEY-SMITHのメンバーさんが、先輩スカパラのためにアンコールでスーツ着てきたのもそう。揃ってみんなこれだけの演奏を本気でやっていて十分かっこよかったのに、人としてハートも素敵だな、全員揃っていい男だなーと心底思いました。

というわけで久々に大量のメンズによる音楽の波を浴びたおかげで、私の中でコロナを理由に少しセーブしていた前向きな「いい女」磨きを、ここからまたやってやろうと思った次第です。

他人の色気を食らって溺れている場合ではないのよ、あなたはあなたの汗をかきなさい、哲郎。みたいな?

…さて、吾輩は、今、おもっきり素面です。少々のビールごときのほろ酔い、書いているうちにとっくに抜けております。なぜ冒頭部分でスリーナインなどと書いてしまったのか、しょうもない伏線の回収ができません。悔しけり。

いい男、いい女。定義は人の数だけあるのでしょうけども、今日の私的には「自分に本気で生きている人」でした。みなさんもそれぞれに定義はあったりするのでしょうか。きっと年齢やいろいろな経験でまた変わるのかもしれませんね。

PS

「いい男」「いい女」この話自体がジェンダー論からするとアウト!って思った方がいらしたらごめんなさいね。ちなみに私はゲイフレンドとでも「あの人、いい男よね〜」などと成立する話かな、と思うクチですので「うん、昭和だね」でご容赦いただけたら幸いです。

 

ライブを観にいった後の、「どっかでご飯食べて帰りましょうか」も久々に叶いました。嬉しすぎる。家じゃ作れないから早く外で食べたかった、焼き鳥へ。カウンター。嗚呼、炭火をみつめる喜び。

…おい店主。つくね、今、灰の中に落としたでしょ。で、戻したでしょ。見てたけど。まあいいけど。

ケイタ氏に瓶ビールを少し分けてもらいました。美味し過ぎました。とにかくひたすら音楽と楽器の話であっというまに終電でした。楽しい夜でした。ありがたや。

さて、話は飛ぶようですが、私、先日、外苑前の試写会場でアレサ・フランクリンの映画を見まして、えらい感動しまして、そのままアレサを爆音で聴きながら歩きたくなって、渋谷まで1時間ほどテクテク散歩したんですね。

で、この日、久々にいい女の象徴(私調べ)であるハイヒールのブーツを履いておりました。普段あんまりヒール履かない私が、楽しむために持っているゴキゲンヒールなのですが。帰って測ってみましたら、ヒール部分12cmでした。

つまり、その日私の身長181cmだったんですね。

どおりで、と納得したのですが。外苑前から渋谷まで、少なくとも私が歩いていた範囲ですれ違った人たち、全員が視界の中に収まってたんですね。

たまたまだとは思いますが、その日、私は巨人で、東京は小人の国だった。いやほんとに、たまたまでしょうけども。横断歩道で、目の前の人に露骨に振り返られ、おおお、めっちゃ見上げられるんだ、こんなにもかと、鼻毛が心配になったりして。

ちなみに私の姉1は、常時172cm、出勤時は平気でヒールを履いて185cm超えで長年暮らしていたこともあります。なので、どうやって恐縮せずに、というか、肩を丸めず猫背にもならずこれまで胸を張って生きたのだと聞いてみましたら「ああ、そうだね、めっちゃ見られるのに疲れて、こっちはもう人の顔見ないで歩くようになったよ。だから芸能人とかすれ違っても気づけなくなっちゃったー」「でもねー堂々と歩いてたら道が開けるよ」っていっていました。モーゼか。

というか姉は自分を1mmも卑下してないのがさすがと思いました。「なんで女で身長高く生まれただけでこっちが頭さげて肩を丸めなきゃならないのさ」ってどこかで思っているんだと思います。

という出来事があったばかりだったので、今日は、ドイツでもノルウェイでもないのに身長が高く、そして身長のみならずいろんなポテンシャルが高いメンズを何人も見上げてきたので、それがなんだかとても新鮮でした。

ちなみにGreasy Hornsはトランペット飯川賢さん、バリトンサックス青木ケイタさん、もうひとりトロンボーン寺谷光くんも全員身長が高く、演奏もめちゃくちゃ上手い。MIYAVIさんとかもそうですが、それでいて性格も考え方も立派な人当たりの良い人っているでしょう、人間だからきっと何かはご愛敬があるんでしょうけども、すごいですよね。

でもね。

あれだけハンサムでナイスガイでも、演奏に向かう姿勢が適当だったりしたらやっぱりそれだけで全てが台無し、全然カッコよくなくなるんだと思う。そういう「いい男」のコアの部分にある何か、あれ、なんなんだろうなあ!

人が見ているからちゃんとする、でもないし。 人に見せるためにちゃんとする、でもないと思います。 なにかしらそれ以上のもの。

言い換えましょう。

人が見ているからゴミ拾う、でもないし。 人に見せるためにゴミ拾う、でもないと思います。 世界が綺麗な方がいいから、ゴミ拾いが上手くなっただけです。 ただし、もちろん、本気で練習しましたよ。

みたいなやつ。

ひゃだ、めっちゃかっこいいやつじゃん…!(やっぱまだ酔ってんのかな)

今日は私の中の「いい女」が果たしてなんぼのもんなのかは棚に上げまくっておきながら、「いい男」についての概念を追求してみました。偉そうに、誰なんだ、私。

もし「いい男」ってどういうことですかって、誰にでも聞けるとしたら、叶恭子さんにお伺いしてみたいです。そこに本当の答えがある気がしてなりません。


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