LOVEのひろいばなし Vol.127「私のDNAはどこから来たの」

ドイツの友人が、自分のDNAが地球上のどのエリアからやってきたのか、そのパーセンテージがわかるDNAテストを受けたようです。結果が世界地図になって届いたようで、インスタグラムにその画像が上がっていました。

寝る前に見て、何気なくコメントしたところから、この会話、面白いところへ着地しました。

親との関係で苦労したことがある人には、興味深く想ってもらえるかもしれない。もしくは、うーん、屁のつっぱりにもならないかもしれない。いずれにせよ、今日はそんな話をしてみましょう。

私「これすごいよね。私もやったことあるよ!興味深いね」

友「そうそう、面白いよね!セネガルは全く予想してなかったけど入っててめちゃくちゃ嬉しいわ!セネガル人って最高にかっこいい人たちなのよ。ポルトガルの血はそんなに嬉しくないね。まあ私の苗字は思いっきりポルトガルとかスペイン系だから、わかってはいたけど」

私「ああ、セネガル人ってめちゃくちゃホスピタリティがあって親切だって聞いたことがある。あと沢山シーフード食べるから日本に来ても馴染みやすいとか」

友「あなたはどうだったの?」

私「最初冗談かと想ったけど、私、九十九パーセント日本らしいのよ。最後の一パーセントは、中米とベトナムと中国が混ざってた。なんていうか、その一パーセントが割と強い感じすらするよね、笑」

友「それはすごいね。ちなみに私は、一パーセントが北アフリカとアルメニアかトルコのミックスだったわ。あああ、九十九パーセントアフリカ系だったらよかったのにって心から思うよ!私ね、なんとなく私自分の祖先がどこから来たか知ってた気がするんだよね。勘だけど、多分カーボベルデ。カーボベルデの人たちは、古い奴隷制度のせいでそもそも沢山いろんな人たちが混ざり合っているから」

私「あなた自身がまるで世界地図のようだね。どちらかというとあちこちの土地に関連づいていることのほうが私は貴重だと思うから、あなたのはほんとに多岐にわたってて素敵だよ」

友「確かに。けっこうすごいよね」

私「あのさ。今日は一パーセントにまで薄まったその血って、どのくらい前の先祖のものなんだろうって不思議に思わない?半分半分って計算していくと、たぶん七世代くらい前のはずだから、そんなに遠くないはずなんだよね。一世代が平均三十年だとして。今のあなたに繋がったこの流れに、アルメニアかトルコの血が参加したのは約二百十年前っていう計算になる。なにがあったんだろ」

友「それってなんだかすごい。クレイジーだね。何がクレイジーって、あのね、私トルコ人とは何かしら、あるのよ。普段まず口喧嘩とかしないんだけど、トルコ人とだけは議論になりがち。それもね、まるで自分のことのように感じるからなんだよ」

私「へえ!それは不思議だね!まあでもあなたの結果の分布図見てると、なんだか納得がいくよ。ものすごく広くいろんな人間の心をサイキックみたいに感じる人じゃん?世界中の何かが入っていて繋がっているからだとしたら、私は驚かないね」

友「そういえば、本物のサイキックに言われたことがある。私はありとあらゆる先祖の守護があるって。実際生まれ育った家族とは全然仲良くなかったけど、でも一人じゃないですよって。それも、なんとなくずっとわかってたこと。子どもの頃からなんとなくだけど、わかってた。だって最悪な時でも、人生ほんとうに恵まれてきたんだもん。あなたも知っての通り、最悪な時の最悪さが最悪だったけど、それも旅のうちだよね。あと、そのサイキックは私が“地球から歓迎されてる“っていってた。あれは意味不明だったけど、笑」

私「まじ!地球に歓迎されてるの!笑。そんなこと、言われてみたいわ〜。ちなみにね。私、あまり自分の父とは決して仲良くはない。でも父方の叔父のことが大好きだったのよ。で、最近思ったんだけどさ。よく自分は半分が母親で、半分が父親でできているっていうじゃない?」

友「そうだね」

私「アレ、違うと思うのよ。私は、半分が父親でできているんじゃなくて、私の半分は父方の全ての先祖のありとあらゆる可能性でできていると思うわけ。言ってる意味、伝わる?全員がクールなわけじゃない。嫌なやつもいるだろうよ。でも何か、ずっと前からあった特定の“要素“が、この流れの中でかろうじて消滅することなく生き延びててさ、父を通してやっと私に届いた!っていう感じがするわけ。だからあなたにとっても似たようなことがあるんじゃない?あなたの場合は、もっと広くて複雑なバリエーションのある世界中の人たちのありとあらゆる要素があるけど、その中でも何かの要素がやっと表に出れた!みたいな感じで今に至ってるんじゃないの」

友「すごいね、めちゃくちゃ綺麗に言うね!考えたことなかったわ。そういえば、うちのおばあちゃんがいつも言ってた。彼女の叔母に私がそっくりだって。彼女は社交界の人だったそう。で私がその叔母にあまりに似ているのが憎らしいとかなんとか、祖母には全然可愛がられなかったんだよね」

私「へえ!それオモロだね。DNAがフィジカルな特徴だけじゃなく、呼び覚ます感情まで運んでちゃったとはなかなかな、笑。多分、その叔母様は今頃言ってるんじゃない?”ご覧なさいよ、細胞の中で何世代も眠っていた私がもう一度この子の上で輝いてやるわよ、ハッ!”って」

友「だろうね、笑。それっぽい性格、完全に私持ってるからね。いっつも上司見ながら思うもん。クビにできるならしてみさらせ、やってごらんなさいと思いながら仕事してる」

私「ウケる。その研ぎ澄まされた自信と、なんつうか上質な感じ?並大抵のものじゃないってことぐらい、わかるよ。きっとその祖母の叔母さまも社交会で同じ態度とってたと思う、笑」

……こんな感じで。あとは雑談で終わったのですが、久々に長会話になりました。実際彼女は、信じられないくらいの苦労人ですが、リカバリー能力が高く、まず自分を安売りすることのない、ちょうどいい自信を兼ね備えたかなり手が届きづらいタイプの賢い女性です。

そういえば、隔世遺伝、ってありますよね。

薄毛とか、あといきなり祖先帰りでまったくご両親の持っていない青い目の子が生まれたとか。そういう身体的特徴のみならず、その人の集中力とか、知能とか、性格的特性とかも同じようにDNAがある程度は運んでいるはず。

そう思えば、母や父の世代なんかすっとばして、もっと昔の祖先のキャラが今の自分に強く出た可能性、これ大いにあるわけで。

そう思うと、直接の親に全然似てなくても、もしくはある程度似ていても、それが全てでは決してない。恨んでいても、許せていても、なんでもいいんですけどね。

もちろん今の自分を作ったのは、まずは自分の努力の結果が一番大きいことは言わずもがな。同時に、ほほう「いつかのどこぞの祖先のおかげもあるかもね」と考えられたなら、親というものは運び屋としてそれだけでも十分な務めを果たしてくれた、そう考えたってバチは当たらない。

私、なぜこの親からこんなに素敵な人が、という方によく会うんですよね。

親の呪縛から逃れられない渦中にいる人は本当に辛そうだけど、って本人しかわからないことだらけだから軽々しくもいえないんだけど。でもそれって実はあまりロジカルなことじゃないのかも、と思うのです。「おおまじか、じゃあとりあえず運び屋サンキューな!」って感じで前に進んだとしても、なんの罪悪感も必要がないというか、ぜんぜんOKなのでは。っていうね。

「よう、いつぞやのイケてる祖先、久しぶり!」くらいの気持ちで「私めっちゃええやん」ポイントを沢山探すのも、大いにアリだと思ったりするのです。

 

話が逸れるようですが。

元も子もないことを言いますが、もっと遡れば、我々、全員もともとは黒人です。今では何%に薄まったのかわかりませんけど。九十九パーセント日本エリアの血ですと言われた私のルーツも、あなたのルーツもそう。アフリカだし、黒人。

で、まあ各地途中で色々変化したってことですけども、それも個人の努力とか祖先の努力とか、まったく関係なくないですか。地域と天候と食べ物とか、そういう外的要素で人種の分布図は段々と変わっていったよ!ってだけですよね。

誰かの努力で変わったわけでもないことを。さも自分たちが今社会的に優位であるのは祖先の努力のおかげ、とでも言いたげな人たちが世界には多すぎるんでしょうね。見る人が見れば、私もそういう側面を持っているのだろうか。時々わからなくなります。

無知って怖いですね。人種差別ほど理にかなっていない、馬鹿馬鹿しいナンセンスはないのにね。


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