LOVEのひろいばなし Vol.124「今更ですがケビン・コスナー」

ロバート・デ・ニーロ見尽くしたし、エドワート・ノートンも見尽くしたし、マット・デイモンももう見尽くしたし、モーガン・フリーマンも、デンゼル・ワシントンも、もう見てないのがなかなか残ってない。うーん。

特定の俳優さんの演技が見たくて映画を選ぶことがあります。他に誰かいなかったっけなあ〜と思いながらスクロールしておりましたら。知ってるつもりでもはや完全に内容など忘れている、そんな映画にふと目が止まりました。

ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストン主演の「BODYGUARD」。

……ダン!エンダーーーーーーーーーーーーーーーー!と即座に皆さんの脳裏にも曲が流れたことでしょう。ですが、内容覚えてます?

わたし、多分子どもの頃にテレビで見て以来。もうなんなら初めて見る気持ちで見れたので新発見ばかりでした。仕事中の超硬派なボディーガードのくせにスターにデート誘われたら行くんかオイ、なケビン・コスナー。

完全ノーマークで暇つぶしに見ただけなのに、うわ、かっこいいと思ってしまいました。なんだこの渋さ。むしろ若いが故に渋さが際立つ。たまらんかったです。

そこから「フィールド・オブ・ドリームス」「ダンス・ウィズ・ウルブス」など、これまたもはや記憶の彼方にあった映画を初めて見る気持ちで楽しみつつ、結局「JFK」にたどりつきました。

アメリカ合衆国三十五代大統領の、ジョン・F・ケネディ暗殺事件を題材にした九十一年公開のオリバー・ストーン監督作品です。初めて見ました。

これがすごく面白くて、極め付けでした。今更ですが、「ケビン・コスナー、かっけええ!」です。

ジョン・F・ケネディ暗殺後、政府による捜査を記録した「ウォーレン調査書」に疑問を持った、とある地方検事が暗殺事件の真相に迫る社会派ドラマです。ケビン・コスナーが演じたのは、主役のジム・ギャリソン地方検事。彼は実在の人物で、残された著書が原作になっています。

何が面白かったって、たとえそれが合衆国政府相手だろうがなんだろうが、「長いものに巻かれてたまるか」っぷりが見事だったこと。権力嫌いな(笑)私としては、たまらないわけです。

ジョン・F・ケネディが暗殺され、そのあとマーティン・ルーサー・キング牧師も暗殺され。その後のどさくさの中で、出馬した弟のロバート・ケネディまで暗殺されているアメリカ。

不穏な時代です。

黒人の権利なんかガン無視、軍産複合体が力を増していく中で、ソ連との冷戦にしてもベトナム戦争にしてもある程度の利益がでるならと「やりたい」人たちが、圧倒的な権力をもった集合体が、霧のように蔓延した時代。

おそらく明確に指示をした犯人のような責任者がいなかったとして、それでも大きな「思惑」のようなものが実行犯を産み、平和運動や人権運動をねじ伏せていったような印象。虫唾が走るような気持ちになるのは、今の日本でも、世界でも似たようなことが引き続きあると私が思っているからでしょう。

それにしてもこの時代って、今のアメリカの残念なところの基盤になっているものが全部同時に作られたような時代だったんだなと。

まさにその象徴が上記みっつの暗殺の流れだったわけですが、とくにケネディ暗殺のテキトー捜査資料にたいして、

「いやいやいやいやおかしいがな〜。これ政府内部に暗殺を支持した人たちおったんちゃうの?そしたら調査もへったくれもないんちゃうの?証拠隠滅もええとこでっせ。一個でもええからちゃんと裁判して、政府が残したウォーレン調査書以外の記録を残さへんとあきません。全部、誰かの思う通りになってしまいまっせ。真実なんか置き去りでっせ。勝とうが負けようが裁判やらんとあかんのですよ。正式に裁判記録として真実を訴えて、別の調査書として次世代に残さなあかんのですよ」

と言ったのがケビン・コスナーなわけですよ。いや、ジム・ギャリソン検事なんですけど、もう「ケビン・コスナーがそう言ってたんだもん!」ってポワっとするくらい、かっこよかったんですよ!(阿呆)

嫁様には「ケネディどうこうより子供の面倒見ろ、いい加減にしろ」とキレられていたケビン・コスナーですが、最後には奥様もちゃんと法廷にて味方をしてくれますから。

で、この最後の法廷シーンのケビン・コスナーの最終弁論がマジでかっこいい。痺れまひた。胸熱でひた。惚れまひた。見て、ねえ、見て、みんな!!一緒に震えて!!

その後、ケネディ暗殺の資料に関しては、トランプ大統領時代の二○十七年、そしてバイデンさんは去年、一部の資料公開を承認してるんですね。その度に複数の情報機関が「大事なとこは一部非公開にしといてよ」と政府に求めています。その時点で、なんやねん、ですけども。

映画のエンドロールによると、現在まで、ジム・ギャリソン検事はケネディ暗殺事件の唯一の公的訴追者です。

その後、七十年代の後半に議会では「陰謀による暗殺」の可能性を発見した、という報告があったにもかかわらず、司法省は何も動かなかった。そして、全ての調査資料は二○二九年まで公開禁止だそうです。

ってこれまもなくですね。その後はどうなるんでしょう。ジム・ギャリソン検事の思いを誰が継ぐんだろう。

私ですね、十八歳のときから変わりたくても変われなくて心底困ることもあるのですが、「はっきりした責任者のいない”空気感”で進むギョーカイっぽい仕事のやり方」とか、ぬるぬると現場に責任転嫁していく重役、とか、日本や各国の政治もそうですし、身近にもそういう気配があったりしますけど、本当にアレルギーが出そう。みなさまご存知の通り、とにかくそういうヌルヌルしたのがめちゃんこ嫌いなんですね。

みんなどうやって折り合いをつけているの、私はどうやってこういう性格のまま社会人をやればいいのといつも思ってます。だからでしょうか、心にケビン・コスナーが必要だったのかもしれません。

ああ〜、かっこいい。かっこよかったでふ。

おねがいします、みんな見てくだはい。最終弁論までがんばって、見てくだはい。

で「ほんとだ、かっこいいね!」とだけLINEしてくれればいいでふ(身内か)。

 

ちなみに、共演者も存在感すごかったです。

まずトミー・リー・ジョーンズ。起訴される側の役で、まさに強敵。暗殺の背景に存在する団体に関わっていたCIA局員という疑いのある、表向きには地元の有力なビジネスマン。これがまた憎らしいのなんのって。あの方、MEN IN BLACKとか、缶コーヒーのBOSSの宇宙人CMとか、よく出演しましたね。こんなに怖いのに、笑。

トミー・リー・ジョーンズの裏世界のお仲間にジョー・ペシ、ケビン・ベーコンなど。ケネディ暗殺実行犯には、ゲイリー・オールドマン。こちらもまた半端ない。好きな俳優さんばっかりでした。

あの時代の、というか、なんなんですかね、いるだけですごい説得力のある俳優さんたちの威厳みたいな、あれ。

ちなみにジョー・ペシは私が一番好きな女優さんのマリサ・トメイと一緒に「いとこのビニー」に出演してましたが、あれもコメディだったけど弁護士の役だった。NYマフィアものになると、だいたい、いますね。大好きな俳優さんです。

法廷モノがこんなに好きになったのはいつからだろうなあ。生まれ変わったら地球最大のシロナガスクジラになると決めていたけれど、第二希望、真面目に勉強して検事になりたいかもしれない。


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