LOVEのひろいばなし Vol.117「ミドリムシ、宇宙へ行く」

久々にサイエンスっ子としての血が騒いでおります。タイトルの通り、今日はミドリムシがすごいというお話です。

いやいや、今メールボックス閉じかけたでしょ。早いです。どうか最後まで読んでください。この話が、より広がってくれたら世界の人類を救えるかもしれないという、今日はそんな壮大な話でもあるのです。

さて、私が担当しているTOKYO FMの番組には、月に何度かラジオショッピングのコーナーが入ります。

化粧品、栄養食品、保険、いろんなプロダクトがやって来ます。ただ、皆様ご存じの通り、おらゔさんは取り繕うですとか上手に嘘をつくですとか、そういうのがことごとく下手くそなタイプです。よって、毎回、そのアイテムのお勉強をして、とにかくできる限り素直に収録に挑むというスタイルをとっております。

もはやアーティストがラジオショッピングをするなんて。「タレントやないか」と思われちゃうな、とも思います。

ですが、そこは関西人として、上沼恵美子さんや浜村淳さんを見て育った身。「何事も、やるならちゃんとやらせてくれ」がポリシーの私としては、せっかくですから、一回読んだら○百万売れると噂もあるくらいの浜村淳さんレベルの高みを目指す決意で挑んでおります。これ、本当です。どうも、ハマムラブ淳です。

さて、収録にいらっしゃる企業の方々もさまざまです。やたら営業っぽくてドライでこちらが寂しくなるくらいのパターンもありますし、創業者のおじいちゃんが来ちゃって読み上げがままならず、爆笑をこらえながらなんとか会話した記憶もある。けど、例えばそのおじいちゃん社長が人生をかけて作った自然由来の植物用栄養剤は本当にすごくて、今でもうちの植物たちはお世話になっています。

担当者さんが「売らないといけない」という必死さだけを全面に持っていらっしゃると「そうですか、あなたも仕事だもんね」と思うけど、「良さを知ってほしい、私も感動してるんです」というスタンスの方がいらっしゃると、「そうか!そうなのか!」と私も感動しやすい。とにかく、その方の真心が伝わる時、私としても大変勉強になることが多いです。

この世には一生懸命人の役に立つものを作ってらっしゃる方々がいます。そういう作り手の気持ちは、それが音楽じゃなくたって、私もわかるつもりです。

さて、先日、健康食品の「ユーグレナ」の会社の人がやってきました。収録に入る前に十分ほどオリエンテーションをしたいとのこと。

不思議なのですが、これまでのオリエンテーションは、営業担当さんが「 DJさんに説明を差し上げた」という証拠づくりなのかな、と思うようなものもありました。散々営業トークを聞かされるのに実際放送では特に言わないで欲しいと言われることもあったりして。そういうときは、ちえっ、せっかく聞いたのになんかつまんなーい、と私の中の少女が小石を蹴っ飛ばしたりもしてます。

が!!

このユーグレナのオリエンテーリングは、完全にNHKドキュメンタリー、もしくはプロジェクトXさながら。時間が十分では物足りないくらい興味深かったので、私、収録後にもさらにリサーチしてしまいました。

株式会社ユーグレナは、ミドリムシの会社です。

そもそも社長は東大の農学部出身で、学生時代にバングラデシュを旅するヒッピー時代があったそうな。そこで出会った現地の子ども達が、食べものはあるように見えるけれど、実は栄養失調なんだということを知ったそうです。

子ども時代に必要な栄養、新鮮な野菜、お肉、穀物などがバランスよく食べられないと、成長に影響します。栄養失調はやがて、大人としての就職や未来の選択肢を狭めることにも繋がります。この構図を見た若かりし青年は、来たる食糧難の時代に向けて、世界の栄養失調を解決するためのプロジェクトとしてミドリムシに着目したんだそうです。

小学校の教科書で見たミドリムシ。

「植物なのに動物でもある」という特権ポジションのあいつです。「だから何?」 ってくらい、私の今後の人生には関係がないものだと思って今日まで生きてきました。ここで再会するとは、ミドリムシよ。

ちなみにミドリムシは和名、世界的には微細毛類ユーグレナといいます。こやつ、五億年以上前に誕生した原生生物で、いまだに、その辺に、います。みなさんの地元の池、田んぼ、琵琶湖、猪苗代湖、海、沼、あらゆるところにいて、小魚の餌となり、生態系を支えています。もう私、その辺の池を見て「ここにもミドリムシがおるな……」と思わずにはいられない体になりました。

「僕、植物と動物、両方ですねん」というだけあって、ビタミンやミネラルなどの野菜成分と、アミノ酸などのお肉成分と、DHA・EPAなどのお魚成分、約五十九種類の栄養分を持つユーグレナ。青汁なんかもすごいけど、もう少しカバーする分野が広い。

五歳以下の人口の半分が貧血状態のバングラデッシュでは、二○一四年からユーグレナクッキーが配られています。一食六枚のユーグレナクッキーで、不足栄養素一日分が補われるそうです。

って感じで、食用としても立派な存在感をぶっ放しているユーグレナですが、油分も豊富なため、バイオ燃料としての培養も研究されています。今でもすでに、食用油とミックスで作るバイオディーゼル燃料としてバスに使われてるそうですし、一部石油系ジェット燃料とのミックスですが今年の六月には航空自衛隊の戦闘機に初めて給油されてました。知らなかった!

そもそもユーグレナ、光合成でCO2を吸収して成長するので、生まれる過程からして環境負荷を減らす。だから、燃料を使用した際のCO2排出量が実質プラマイゼロになることを見越しての研究が後押しされているそうです。

長引くロシアによるウクライナ侵攻による食糧難、燃料問題、ひいてはすべての物価高騰と、日本の私たちにとってもこれらがもう身近な話題になっていますね。

「もう、じゃあ、とりあえずはユーグレナ食べとったらええし、ユーグレナ燃料使ってしばらくしのいだらええやん!」と机をぶっ叩きたくなるくらいの気持ちになるのは私だけではないはずです。

ですが!

ユーグレナ、何が難しいって、培養が大変難しいとか。オリエンテーション中、「理由はなんだと思いますか?」と聞かれて、ポカンとした私です。

答えは、「栄養価が高すぎるから」だそうです。ユーグレナ、あまりに栄養価が高く、他の微生物が一匹でも混じり込む環境になろうもんなら、食べられちまうんだそうです。

「♪今日も運ぶ、戦う、増える、そして食べられる〜♪」

オリエン中、ピクミンのうたが脳内で流れていた私です。

元旅人の青年、会社創設者の出雲さんは、この問題に相当頭を抱えたそうです。二〇〇五年の夏の時点では、つきっきりでミドリムシの面倒を見てやっと培養できたのが、一ヶ月で耳かき一杯分だったとか。こりゃ、めげるでしょうね。

ところが、絶対に大量培養を成し遂げてやる、という当時の出雲さんの強い思いが人を動かしました。

「できるから会社を作ったんじゃない。必ず成功させるために会社を作ったんだ」

当時ユーグレナ研究の権威だった大阪府立大の教授の下に届いたこの想い。そこから全国の先生方への声がけが始まり、協力者が増え、たくさんのデータが研究に生かされ始めたんだそうです。一人より、たくさんの人の知恵が集まって、発想の転換が行われました。

「他の生物が入れないクリーンな環境なんて自然界にはないだろう?逆に、他生物をはじくことなく、むしろユーグレナだけが繁殖しやすい環境を研究してみるのはどうだろう?」

そして、そこから半年後、同じ年の冬、出雲さんのもとに一本の電話が届いたそうです。

「石垣島のプール、ユーグレナでいっぱいになりました!!」

この時、収穫できたユーグレナは六十六キログラムだったそうです。そして、今では年間で最大百六十トン(二○十七年時点)の生産が可能になったそうです。

百六十トンのユーグレナ。

これがどれだけの世界中の栄養問題を解決できるでしょうか。

そしてこれをもっと後押ししたら、どれだけのサステナブル事業が動き出すことになるでしょうか。

そして、その次世代へのアイデアを誰が出すのでしょうか。

ユーグレナ社は、二○十九年より、十八歳以下の CFO、Chief Future Officer「最高未来責任者」を一名、そしてサミットメンバーを三名公募しています。今年は十月十五日まで募集しています。株主総会などでの意見出しもあるそうで、これまですでに十代のCFOによる意見は会社の方針に生かされているんだそうです。

素晴らしくないですか。

もしあなたが持続可能な社会を望んでいたり、今の社会に不満を持っているなら、「アイデア」を出せる人たちを応援して後押しすること。それが最大限私たちにできることなはずなんです。

正直いって政府だの選挙だのは、諦めるべきことではないから必ず行くし吟味するけども。職人肌や、研究肌の方々がどれだけ政治家の中にいますかね。直接的に未来を作るアイデアには必ず研究が必要です。私はそういう仕事に従事している人たちを主役にした社会構図が見てみたいです。今はただただ、直接応援することでサポートしようと思っています。

一部の私利私欲大馬鹿野郎どもこと人類の恥たちが戦争をし、食料や燃料を独り占めしては武器製造や燃料ビジネスで利益を上げている中。その真逆にあるものは、全ての人類のためになるためのなんらかの研究や事業でしかありません。どんどん強く存在感を持っていってほしい人たちがいます。

関西医科大学に初新設されたがん光免疫治療研究所、株式会社PowerXの蓄電池事業、私には好きな事業がたくさんありますが、このたび株式会社ユーグレナもお気に入りリストに参加です。

ユーグレナ、最後にもうひとつ夢のあるお話を。

二○二十五年には宇宙での培養実験が始まるそうです。「ユーグレナ、宇宙へ行く」です。

行く意味、超あるわあ。何につながるかはまだ私にわからないけれど、さまざまな環境での培養実験がさらなる新発見や学びにつながることは間違いありません。

ユーグレナ。引き続きさまざまな環境での培養実験の成功も、心よりお祈りします。

 

まさか TOKYO FMの営業さんも私がここまでユーグレナを調べ上げたとは知らないでしょうね。ふふふ。

こういう案件ならいくらでもラジオショッピングしたいです。

ただ、問題は、「言いたいことが時間内に収まらない。収まるわけがない」っていうね。

ユーグレナだけで何文字やねん。

けど素敵でしょ!ぜひ皆様も株式会社ユーグレナの HP見てください。 たくさんのドラマが、物語が、上手にまとめられていますよ。

https://www.euglena.jp/


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